漫画の単行本・文庫版・完全版の違い|愛蔵版・新装版・リミックス版とは?

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漫画には単行本・文庫版・完全版の3つが存在します。

 

作品によっては愛蔵版新装版リミックス版が出ています。

 

 

正直、「何が違うの?」という疑問しか出てきません。

 

 

この記事ではそれぞれの違いや特徴メリット・デメリットなどをまとめていきます。

 

 

 

漫画の単行本・文庫版・完全版の違い

 

まず、この3つの違いを簡単に言うとこうなります。

 

単行本・文庫版・完全版の違い

 

単行本 → 連載と共に出版されるもの

 

文庫版 → 連載終了後にコンパクト化&再編集されたもの

 

完全版 → 単行本+カラー表紙や書下ろしなどの特典付き

 

 

単行本は原作そのもの

 

単行本(コミックスとも)は連載と共に発売されていく本です。

 

つまり、原作そのものといえます。

 

 

言い換えると、単行本以外は全て再販されたものです。

 

単行本化の際に内容が変わることがある

 

週刊誌に掲載されたものと単行本化されたものを見比べると、内容(セリフやコマ修正など)が変わることがあります

 

 

例えば、『ONE PIECE』でも、ジャンプに載っていた時と単行本ではゾロのセリフが少し違っていたり、物の模様が違っていることがあります。

 

 

単行本化するにあたり、「やはりこっちの方が良いな」となったため変更したものだと思われます。

 

単行本のサイズ

 

メジャーなのは新書判と呼ばれるもので、「縦17.4×横11.2cm」のサイズです。

 

 

これは少年漫画や少女漫画の単行本で、コンビニなどにも並んでいる一番馴染みのあるサイズだと思います。

 

 

青年誌連載の漫画(ヤング系)だと、それよりも少し大きいB6判(縦18.2×横12.8cm)が多いです。

 

 

更に大きい四六判(縦18.8×横12.8cm)A5判(縦21×横14.8cm)もあります。

 

 

このように、単行本のサイズは作品や出版社によって変わってきます

 

単行本のBOX化

 

最近では単行本のBOX化も存在します。

 

しかし、レアケースです。

 

 

有名なのは『ONE PIECE』で、このようにストーリーの区切りごとに特製BOXが付けられています。

 

 

文庫版はコンパクト版

 

売れた漫画をコンパクトサイズにした本が文庫版になります。

 

単行本と文庫版の違い

 

巻数が少ない

 

サイズが小さい

 

装丁が文庫版仕様

 

 

単行本との違いは巻数とサイズの違いです。

 

 

文庫版は1巻に収録される話数が単行本よりも多いため、巻数が少なくなります。

 

それにより、全巻集めた時の金額は単行本と比べて安くなるのがほとんどです。

 

 

 

サイズは(縦14.8×横10.5cm)のはがきサイズとコンパクトで、場所を取らないのがメリットです。

 

が、その分コマが小さくなり、読み難いと感じる方もいます。

 

 

 

また、単行本とは異なる文庫版仕様の装丁が特徴でもあります。

 

文庫版装丁のイメージは↓このようなものです。

 

 

 

 

BOX化される文庫版もある

 

文庫版の特徴の1つとして、BOX化される作品も多いです。

 

 

 

 

原作の話が削除されることがある

 

文庫版の注意点は、コンプライアンスの観点から削られた話や変更されたセリフがある場合がある所です。

 

 

 

今でも覚えているのが『ジャングルの王者ターちゃん』のゴリラの回です。

 

単行本にはゴリラが密猟者に狙われる回がありましたが、文庫版では丸々カットされていました。

 

おそらく、ゴリラの密猟と、密猟された後の姿が引っかかったのだと思います。

 

 

 

何故その回を覚えていたのかと言うと、「ゴリラの握力は500キロ」という豆知識をその回で覚えたからです。

 

そのため、文庫版を買って読んでいる時に「あれ?」と気付きました。

 

 

出版が古めで、差別的な用語などが普通に使われていた時代の漫画はセリフが変更されていたりします

 

 

単行本の再編集版」と言ったのは、そのような理由があります。

 

※もちろん作品にもよります

 

完全版は単行本+αの豪華版

 

完全版は、単行本を元に様々な要素が追加された豪華版です。

 

 

これは漫画によって異なりますが、主に以下のようなものがあります。

 

完全版の特典

 

加筆修正

 

書下ろしのカラー表紙

 

連載時のカラー原稿

 

単行本未収録の話

 

新規のおまけページ

 

 

このような、単行本にはない要素が追加されています。

 

中にはストーリー自体に変更が加えられている作品もあります。

 

 

 

他には『シャーマンキング』のように、単行本で未完だった作品が完全版で完結を迎えるパターンもあります。

 

 

 

 

サイズはA5判(縦21×横14.8cm)が多く、単行本・文庫本よりも本から受ける迫力も上がります。

 

また、紙質も単行本と比べて良くなっており、そのおかげで黄ばみにくいのもメリットです。

 

 

 

表紙も単行本・文庫版とは違うオリジナルとなっています。

 

 

 

 

 

 

以上により、完全版はその他の版よりも高額となっています。

 

 

ただし、1巻に収録されている話数が多く、巻数は単行本よりも少ない作品がほとんどです。

 

愛蔵版はファンのための本

 

他にも「愛蔵版」と呼ばれることものがあります。

 

これはその作品のファンのための本です。

 

 

特徴としては、表紙が豪華な装丁になっているものが多いです。

 

 

 

 

中身は作品によって異なります

 

完全版に近い位置付けの作品があれば、文庫版のように話がカットされている作品もあります。

 

サイズも作品によって異なります。

 

 

簡単に言うと「作品による」で、何をもって愛蔵版と呼んでいるかは出版社によって変わります

 

 

後述する『SLAM DUNK』は愛蔵版かつ新装版として出版されています。

 

愛蔵版コミックスは漫画以外もある

 

愛蔵版コミックス」の例を上げると、

 

 

 

 

 

・『DRAGON BALL 超画集 (愛蔵版コミックス)』

・『ハイキュー!! 10thクロニクル グッズ付き同梱版』

・『TVアニメ『SPY×FAMILY』公式ガイドブック MISSION REPORT』

 

 

このように、漫画以外のファン向け書籍も愛蔵版コミックスの名前が付けられています。

 

 

そこが「愛蔵版はファンのための本」たる理由でもあります。

 

ある意味、愛蔵版は一番幅が広いです。

 

新装版は2パターン

 

新装版は、

 

表紙だけ変わったもの

 

再編集されたもの

 

の2つが存在します。

 

 

 

例えば、『ドラゴンボール』の場合は表紙が変わっただけで、中身は単行本と同じかつサイズも同じです。

 

 

本屋でこの表紙↓のドラゴンボールを見たことのある方も多いと思いますが、旧単行本と入れ替わったようなものです。

 

 

 

 

一方、『SLAM DUNK』は「新装再編版 (愛蔵版コミックス)」の名前で全20巻にまとめられています。

 

 

 

 

この新装再編版の最大の特徴は「表紙が書下ろし」であることです。

 

もう1つが「再編集」されたことにより、1巻が分厚くなっています

 

 

その理由は、物語の区切りごとに分けられているからです。

 

中途半端な部分で途切れない分、次巻に持ち越さないので一気に読めるメリットがあります。

 

 

 

新装再編版 (愛蔵版コミックス)』とあるように、新装版と愛蔵版が合体しているパターンも存在します。

 

そして、最近はその流れを汲む作品も出始めています。

 

新装彩録版(愛蔵版コミックス)

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険』は「新装彩録版 (愛蔵版コミックス)」という名前で発売されています。

 

サイズは新書判(11.2x17.6cm)と同じです。

 

 

もはや「新装彩録版とは何か」という話になってきます。

 

 

リミックス版とは

 

リミックス版を簡単に言うと、コンビニで売っている分厚い廉価版です。

 

代表的なのは、ジャンプ作品が廉価版になったジャンプリミックスです。

 

 

 

リミックス版は文字通りの廉価版なので、紙質はあまりよくありません

 

 

また、ストーリー物は単行本と内容は同じですが、1話完結モノは総集編になっている場合もあります。

 

※最近は全話掲載されている作品が多いです

 

 

よって、安さを求める以外にリミックス版を集めるメリットは正直ありません

 

実物でサイズの違いを比較

漫画の単行本・文庫版・完全版の違い|愛蔵版・新装版・リミックス版とは?

背表紙の比較

 

サイズ感の違いを分かりやすくするために、本棚からいくつか引っ張ってきました。

 

 

まずは背表紙から。

一番左の『ONE PIECE』は単行本。

 

『いくさの子織田三郎信長伝』『山風短』『LIAR GAME』はヤング系。

 

『金色のガッシュ!!』から『キン肉マン』までは文庫版。

 

『ミュージアム』は新装版完本(全2巻)として出されたもの。

 

『藤子不二雄Aのブラックユーモア』も新装版的な本。

 

『烈火の炎』は「ワイド版」と呼ばれていますが、新装版や完全版に近い本。

 

『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』は完全版。

 

 

次は表から見た比較です。

 

漫画の単行本・文庫版・完全版の違い|愛蔵版・新装版・リミックス版とは?

表紙サイズの比較

 

同サイズの本はまとめています。

 

 

ヤング系は単行本より少し大きいです。

 

同じ文庫版でも『新ジャングルの王者 ターちゃん』と『金色のガッシュ!!』では、少しだけガッシュの方が小さくなっています。

 

 

以上のように、サイズも厚みもバラバラです。

 

各版の特徴とメリット・デメリットまとめ

 

特徴

 

【単行本】

・連載と共に出版される原作

 

 

【文庫版】

・連載終了後に再編集されたコンパクト版

 

 

【完全版】

・単行本に+αの特典などが付いた豪華版

 

 

【愛蔵版】

・装丁が豪華なものが多く、内容は作品ごとに異なる

・漫画以外の書籍も含まれる

・ファン向け書籍

 

 

【新装版】

・表紙が新装丁になったり再編集された版

・作品によって内容が異なる

・プラス愛蔵版の名前が付いている作品もある

 

 

【リミックス版】

・コンビニで売っている廉価版

 

 

メリットとデメリット

 

【単行本】

 

メリット

・代えがたい原作

 

 

デメリット

・古い作品だと手に入りにくい

・劣化しやすい

 

 

【文庫版】

 

メリット

・単行本を揃えるより値段が安い

・場所を取らない

 

 

デメリット

・コマが小さく迫力に欠ける

・削除や変更点がある場合がある

 

 

【完全版】

 

メリット

・特典付き豪華版

・完全版でオリジナル化 or 完結化する作品もある

 

 

デメリット

・高価

・場所を取る

 

 

【愛蔵版】

 

メリット

・表紙や装丁が豪華

・ファン向けの関連書籍もある

 

 

デメリット

・作品によって内容がかなり異なる

・話がカットされる作品(総集編化)もある

 

 

【新装版】

 

メリット

・実質単行本と同じ

・特典付きの作品もある

 

 

デメリット

・内容が単行本と変わらない

・作品によって内容が異なる

 

 

【リミックス版】

 

メリット

・安い

 

 

デメリット

・紙質が悪い

・ほぼコンビニや古本屋でしか買えない

 

 

以上、全6つの版+αを見てきました。

 

 

大きな特徴はこの通りですが、内容や細かい部分は出版社や作品によって変わることには注意が必要です。

 

 

どれを買うのがいい?

 

1つだけ買う場合は単行本、完全版、新装版から選ぶのがおすすめです。

 

 

 

単行本は文字通り原作(連載時のまま)なので、ファンなら外せません

 

しかし、古い漫画だと中古でしか買えない場合も多いです。

 

私のように中古ではあまり買いたくない方は、完全版か新装版を選びます。

 

 

 

買い直す場合も完全版か新装版おすすめです。

 

買い直すということはその作品を読んだことがあるということなので、完全版で特典を見る楽しみもあるからです。

 

 

 

一番大事なのは表紙や中身を見て決めることです。

 

先述のように、作品によって内容が大きく異なるため、自分が欲しいと思える内容の本を買うのが一番です。

 

 

 

もちろん、その漫画のガチファンは全て揃えて見比べていますが、お金も場所も掛かります。

 

が、そのくらいの愛情があるからこそファンなのであります。

 

 

知り合いのドラゴンボールファンは、画集も含め、購入可能な書籍はほぼ全て持っています。